乾燥する、赤みが出る、季節の変わり目になると敏感になる。
以前は使えていた化粧品が急に合わなくなる。
化粧品販売をしていて、お客様からよく相談される悩みでもあります。
では、なぜ肌は何度も揺らぐのでしょうか。
私も化粧品開発を始めた頃は、保湿が足りないのかな。
もっと肌に良い美容成分が必要なのかな。
もっと肌悩みを解決してくれる化粧品があるはず。
そんな風に考えていました。
でも商品開発を続ける中で、少しずつ考え方が変わっていきました。
新しいものを足していくことよりも、
まず肌が本来持っている働きを邪魔しないことの方が大切なのではないか。
そう考えるようになったのです。
実際に私自身のケアもどんどんシンプルになっていきました。
そして気が付くと、以前より肌は揺らぎにくくなっていました。
そんな中で最近読んだビタミンD研究が、とても興味深かったのです。
なぜなら、その研究は、「肌は自分で整えようとしている」
という私が長年感じてきたことを、
別の角度から説明しているように思えたからです。
もしかすると私たちは、「何を与えるか」ばかりに目を向けて、
「なぜ肌が揺らぐのか」という根本的な原因を見落としているのかもしれません。
目次
1.炎症は本当に悪者なのか?
「炎症は悪いもの。」
そう思っていませんか?
私も以前はそう思っていました。
でも実は、炎症そのものが悪いわけではありません。
例えば転んで膝を擦りむいた時。
傷ができると、
・赤くなる
・熱を持つ
・ 少し腫れる
という反応が起こります。
これが炎症です。
でも考えてみると、炎症が起こらなければ傷は治りません。
血液も集まらない
修復する細胞も集まらない。
そうすると傷口もふさがらない。
つまり炎症とは、体が修復工事を始めるための合図なのです。
火事で例えると分かりやすい
炎症を火事に例えると、小さな火は必要です。
料理もできるし、暖も取れます。
でも火が消えなくなったらどうでしょう。
家は燃え続けてしまいます。
肌も同じです。
問題は炎症そのものではなく、「炎症が長引くこと」なのです。

2.肌には「炎症スイッチ」がある
近年の研究では、皮膚の細胞には
炎症の始まりを感知する仕組みがあることが分かってきました。
例えるなら、火災報知器です。
・紫外線
・摩擦
・乾燥
・細菌
などの刺激を受けると、肌は「何か起きた!」と判断し、
炎症反応を始めます。
これは肌が弱いからではありません。
肌が守ろうとしているのです。

3. 肌は炎症を終わらせる力も持っている
火事には消防隊が必要なように、炎症にも「終わらせる仕組み」があります。
本来、炎症は悪者ではありません。
必要な時に始まり、役目を終えたら静かに収まります。
問題になるのは、その仕組みがうまく働かず、炎症が長引いてしまう時です。
そして、その「終わらせる仕組み」は一つではありません。
体の中では、
・睡眠
・栄養状態
・抗酸化システム
・自律神経
・ホルモンバランス
・ビタミンD
など、さまざまな働きが協力しながら、炎症が長引かないよう調整しています。
つまり体は、炎症を起こすだけではなく、
炎症を終わらせる力も持っているのです。

4.ビタミンD研究で見えてきたこと
興味深かったのは、ビタミンDの働き方でした。
私は、ビタミンDは炎症を抑えるものだと思っていました。
しかし研究を読むと、炎症を直接止めるというより、
皮膚の抗酸化機能や免疫バランスに関わり、
炎症反応が過剰になりにくい環境づくりを支えている可能性が示されていました。
火事で例えるなら、消防車で火を消すというより、
火事が起きにくい環境を整えているようなイメージです。
つまり、炎症を押さえ込むのではなく、炎症が必要以上に長引いたり、過剰になったりしにくい環境づくりに関わっていると考えられます。
私はこの研究を読んでいて、乾燥や赤み、敏感肌が繰り返される理由を考える上で、
大きなヒントになると感じました。

■ 今回の研究でいうビタミンDとは?
ここで一つ補足があります。
今回の研究で使われているのは、体の中で働く「活性型ビタミンD」です。
ビタミンDは、太陽光を浴びることでも作られますし、魚やきのこ類などの食品、
サプリメントから摂ることもできます。
大切なのは、体の中で利用できる状態になることです。
今回の研究は、活性型ビタミンDが皮膚でどのように働き、
炎症反応の調整に関わるのかを調べたものでした。

5.太陽は敵?味方?
ここで気になるのが、「じゃあ日焼けした方がいいの?」
という疑問です。
紫外線は、シミやシワの原因にもなります。
一方で、ビタミンDを作るためにも必要です。
つまり太陽は、敵でも味方でもありません。
包丁と同じです。
料理には必要だし、使い方を間違えればケガをします。
太陽も同じです。
浴び過ぎれば負担になります。
まったく浴びなければ、
体が本来持つビタミンD生成機能を活かしにくくなります。
大切なのは、極端に避けることでも、無防備に焼くことでもありません。
6.私自身が感じていること
私自身の話を少しさせてください。
私はフルピュアを発売して13年になります。
50代も目と鼻の先です。
一般的には、「日焼け止めを塗らないとシミやシワが増える」
と言われています。
もちろん紫外線が肌に影響を与えることは事実です。
だから私は、その考え方を否定するつもりはありません。
ただ、私はこの13年間、少し違う考え方で過ごしてきました。
日焼け止めだけに頼るのではなく、肌が乾燥しにくい状態を保つこと。
実際に私は、洗顔保湿ローションを顔だけでなく全身にも使い、
肌が乾燥しにくい状態を保つようにしています。
また、日差しの強い日は、日傘や帽子、ラッシュガードなどで防ぐことが多いです。
そして私が大切にしているのは、「焼かないこと」だけではありません。
日差しを浴びた後は、体が回復しやすい状態を整えることも意識しています。
例えば、トマトジュースにフルボ酸、オリーブオイルを加えて飲んだり、
ビタミンCを含む食品を意識して摂ったり。
日焼け止めを塗って終わりではなく、炎症が長引かないよう、
食事や体の巡りにも気を配っています。
その結果が、日焼け止めを塗らなかったからなのか、
体質なのか、遺伝なのか、正直なところ分かりません。
40代後半になりますが、皆さんが想像されるようなシミやシワは
あまりありません。
だから私は、美容は「何を塗るか」だけではなく、
肌が本来持っている働きや、体の回復力も大切なのではないかと感じています。
今回のビタミンD研究を読んでいて、
私はそんな自分の実感と重なる部分がありました。
肌は、守る仕組みも持っている。
整える仕組みも持っている。
そして、炎症を終わらせながら元の状態へ戻ろうとする力も持っている。
私はその力を信じています。

7.肌が整いやすい環境とは
私は、「何を足すか」より先に、「何を減らせるか」
を考えることが大切だと思っています。
必要以上の洗浄。
強い摩擦。
何種類もの化粧品の重ね使い。
肌が休めないほどのお手入れ。
火災報知器の例で言えば、
本当は火事ではないのに、
何度も警報が鳴っている状態です。
肌は弱いのではありません。
守ろうとしているのです。
だからこそ、肌が働きやすい環境を整える。
私はそれが、遠回りに見えて一番の近道だと思っています。
8.肌だけを見ていても、肌は整わない
今回の研究を読んでいて、私は改めて感じました。
肌は一枚の皮膚だけで働いているわけではありません。
ビタミンDも、太陽を浴びて終わりではなく、
肝臓や腎臓で活性化されて、はじめて働きます。
つまり、肌の働きの背景には、全身の働きがあります。
40代を過ぎる頃から、肌だけでは説明できない変化が増えてきます。
同じ化粧品を使っていても、胃腸の調子が悪いと肌が揺らぐ。
睡眠不足が続くと肌が揺らぐ。
疲れが続くと肌が揺らぐ。
つまり、肌は体の状態を映しているのです。
だから私は、スキンケアはできるだけシンプルに。
その代わり、体の内側を整えることを大切にしています。
胃腸に負担をかけないこと。
巡りを保つこと。
余分なものが入っても、
きちんと出せる体でいること。
年齢を重ねるほど、「何を入れるか」より、
「どう巡らせるか」が大切になると感じています。
肌も体も、本来は整おうとする力を持っています。
だからこそ、スキンケアはシンプルに。
そして、体の内側は丁寧に。
これが13年間フルピュアを作り続け、今も変わらない私の考え方です。

FULL PUREは、
肌が本来持つ「守る力」「整う力」が働きやすい環境づくりを大切にしています。
著者プロフィール
飛田和陽子(ひだわ ようこ)
FULL PURE 開発者・化粧品プロデューサー。
自身の肌悩みをきっかけに化粧品開発を始め、13年以上にわたり「肌が働きやすい環境を整える」という考え方で商品開発を続けている。

